と
宿屋に着いてすぐ、いきなりベッドに押し倒されて、 ウルフウッドは不思議そうに、驚いたように、目を丸く見開いてヴァッシュを見上げた。 窓の外は満月。青く世界を照らす光にヴァッシュは興奮する自分を感じた。 今から何をされるか今一判っていない様子のウルフウッドに苦笑がもれる。 ウルフウッドはヴァッシュの下敷になった身体を居心地悪そうに身じろぎした。 「なぁ、トンガリ・・・重いんやけど?」 そう言ってヴァッシュの身体を押しのけようとするウルフウッドの両腕を、一纏めに掴んで押さえつける。 「駄目だよ、逃げちゃ。大人しくしててよ」 ヴァッシュは白いシャツのボタンを一つ二つと外していった。はだけさせて、直に触れる。 くすぐったかったのかウルフウッドは身を捩じらせ足をばたつかせた。 「ちょっ!くすぐったいてっ・・・!止めッあっ!」 くすぐったさの余り、ホロリとこぼれた涙をペロリと舐め上げヴァッシュはウルフウッドの胸に手を這わせた。 耳の後ろに口付けて首筋に吸い付き、暫くは消えない痕を残す。 ちりりと微かな痛みが首筋に走る。ウルフウッドは顔をしかめた。 「痛いわ!何すんねん、このクソトンガリ!」 ポカポカと軽く頭を殴りつけて来る腕を再び押さえつけ、ヴァッシュはウルフウッドの瞳を覗き込んだ。 きょとんとしたその様子からすると、まだ何をされるか判っていないらしい。 鈍いのか、それとも意外な事に、そう云う経験が全くないのか。 何も知らない子供にイケナイ事をしているような罪悪感を感じた。 しかし、罪悪感如きで手を止めてあげる事ができるほどヴァッシュは優しくないし、堪え性もない。 「ウルフウッド、君の仕事は僕をナイブズの所まで連れて行く事だったよね?」 「・・・?まぁ、そうやけど?」 それが何?というような顔をするウルフウッドにヴァッシュはニコニコと笑いかけた。 「僕がいきなり君を置いて、いなくなったりしたら君は困るんだよね?」 「まぁ、そうやな・・・って!オドレ、ワイから逃げるつもりなんか!?」 身体にのっかったヴァッシュはそのままで勢い良く起き上がろうとするウルフウッド。 それを、肩を押さえて再び押さえつけ、ヴァッシュは相変わらずの微笑を浮べた。 「今は逃げるつもりは無いけど、これからの君の態度によってはどうかな?」 伺うようにじっと見詰めてくる濃紺の瞳に、ヴァッシュは言い含めるように瞳を合わせた。 「逃げられるのが嫌なら、大人しくしててね。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 普段自分が触らないような所にまで、ヴァッシュに触れられて、舐められる。 くすぐったさと、気持ち悪さで背筋がゾクゾクした。 口付けられながら内股に手を這わされ、撫で上げられる。 ベルトを外されて服を全部脱がされて。 これから何をされるのだろうとぼんやりと思っていると、 いきなり体内に濡れた指を差し込まれた。 「っぁあ・・・!やぁ・・・」 かなりの異物感がある。 ウルフウッドは思わず身体の上からヴァッシュを押しのけようとした。 「・・・置いていかれたいの?」 低いヴァッシュの声に、ウルフウッドは押しけようとした手をのろのろと除けて、パタリと落とした。 そのままギュっとシ−ツを握りこもうとする手を取って、ヴァッシュは自分の背中に回させる。 「大丈夫だから。我慢しててね」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 全てが終って、疲労した身体をぐったりとベッドに沈ませる。 抵抗されない事を良い事にウルフウッドの髪をヴァッシュは優しく梳いた。 「・・・もう、お婿に行けん・・・」 顔を枕に埋めてくぐもった声で呟く。 そのウルフウッドの様子に、ヴァッシュは苦笑して、枕を取上げた。 「お婿になんて行かなくていいじゃない。僕がお嫁にもらってあげるよ?」 ウルフウッドの顔をこちらに振り向かせて、顔をあわせ、楽しそうに言う。 ヴァッシュの台詞にカチンと来たウルフウッドが文句を言おうと、口を開いた。 「何が嬉しくてこんなむさい男と・・・大体、ああいう事は新婚旅行の晩にするもんや!」 「けど、抵抗しなかったじゃない」 ウルフウッドはムカっ腹を立てた顔をして怒鳴りつけた。 「それはオドレが嫌がったら、ワイを置いて逃げるとかフザケタことぬかすから・・・!!」 「けど、本当に嫌だったら、君は逃げるはずだよ?君はそう云う人間だもの。 それなのに逃げなかったって事は僕の事嫌いじゃない、っていうか好きって事じゃないの?」 そう言われると、そうなのかも知れないと、単純に納得してしまいそうになるウルフウッド。 ヴァッシュはもう一押しだ!と、言葉を重ねる。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ウルフウッドが完全に騙される日はそう遠く無い。 END |
き…清見様!!
鬼がいる!鬼がいるよ――――!!(←じゃあそんなもんをリクエストしたお前は何だ!!)
何から何までリクエストどおりのもの有難うございました!トンガリさん最低で(誉め言葉)素晴らしいです!
それにしても初夜にこだわる牧師って新鮮…凄まじい乙女っぷりです。依頼したの私ですが。(ならいいじゃねえか)
きっと「こどもはこうのとりが運んでくるキャベツの中から生まれてくる」という
孤児院の牧師様(育ての親)の言った言葉をそのまま信じて大きくなったのでしょう。28年間(推定)清純派で。
乙女牧師よ逃げろ!!騙されてるぞ!!!
↓そして要らない感想四コマ。